緊急用!ハムスターが下痢をしたときの治療法。原因から応急処置まで
2017/09/09
部屋のなかが臭いような・・・・、あっハムスターが下痢をしている!と気が付くことがあります。
ハムスターは下痢をしにくい動物ですが、一度下痢をすると治りにくく、症状が急激に悪化することが多いです。
危険な状態に陥りやすいので、すぐに処置をして、下痢の原因をつきとめ治療しなければなりません。
今回は、ハムスターの下痢とは何なのか。原因と種類、緊急処置の治療法から掃除方法までをご紹介します。
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ハムスターの下痢は危険な赤信号
人間の感覚でいうと、食べ過ぎたときや辛い物を食べた時など、下痢には簡単になったりします。
わたしは若いころは下痢はほとんどしませんでしたが、30歳を超えたころから下痢をしやすくなりました。
その感覚でいうと、ハムスターが下痢をしたからといって、さほど重要なことには思えないかもしれません。
しかし、ハムスターは本来下痢をしにくい生き物で、下痢をする状態というのはとても危険です。
ハムスターが亡くなる原因も、まずは下痢から症状が始まるものが多く、下痢をし始めたら数日以内が治療の勝負と考えましょう。
人間が下痢をしたところで、体の自己治癒能力を活かして回復することができます。
しかし体の小さなハムスターは、下痢での体力消耗が激しく、栄養が吸収できにくくなり、エネルギー不足となってしまいます。
ペレットを食べても消化できず、どんどん弱っていってしまいます。
放っておくとエサすらも食べられなくなって、衰弱して動かなくなるほど危険です。
ハムスターは下痢をしにくい生き物
ハムスターは乾燥地帯に住んでいるので、水が少なくても生きていける体の構造をしています。
下痢になる原因は、体内で水分の循環がうまくいかず、大腸で水分を十分に吸収できないことで起ります。
ハムスターは本来、少ない水を有効に活用するため、大腸で水分を十分に吸収して、普段はコロコロと乾燥したフンを排出します。
便秘に近いような状態ですが、ハムスターにとってはこのコロコロうんちが健康な証拠です。
下痢の種類
ハムスターの下痢は大まかに分けて3種類あります。
分泌性下痢は細菌や寄生虫など、有害なものが体の中に入ってしまい、それを追い出そうとする下痢です。
これは悪い菌を体から追い出そうとしているので、必要な下痢です。
体が頑張って対抗しているので、下痢で菌を追い出すことができれば体調は回復します。
ただ体中の水分と塩分を使うので、数日でぐったりしてしまい、急速に体調が悪化し、そのまま回復しない場合も多いです。
浸透圧性下痢は、甘味料などを与えたことが原因で、腸が水分を吸収できなくなってしまうことから起こります。
また、ストレスを受けると運動亢進性下痢を起こしてしまいます。
ハムスターをむやみに触ったり、寒い環境に放置したりしないようにしましょう。
危険なウェットテイルの可能性も
ハムスターの病気の中でも危険な、ゴールデンハムスターがかかりやすい「ウェットテイル」という病気があります。
症状に下痢もあるので、ただの下痢だと思っていたらじつはウェットテイルであり、とても危険な状態である場合があります。
ウェットテイルの正式名称は「増殖性回腸炎」といい、細菌性が体内で繁殖している状態です。
お尻が濡れて下痢をしだし、食欲が減退し、脱水症状を引き起こします。
急に性格が狂暴になることもあり、さらに悪化すると直腸脱・腸閉塞を引き起こします。
下痢の治療法
スポーツドリンクを与える
水とは別の容器に、スポーツドリンクを置いておきましょう。
ポカリスエットなどは点滴代わりになり、下痢で思うように栄養が吸収できないときでも、吸収しやすいです。
下痢が数日続いても持ちこたえることができるので、必須アイテムといえます。
甘い成分が入ったスポーツドリンクは逆効果になり、栄養が出てしまうので注意しましょう。
容器は平皿を置くのではなく、きちんと給水器を設置します。
下痢プラス体にスポーツドリンクを浴びてしまったら、急激に体調悪化を招きます。
とにかく水分補給を促し、あまり飲んでいないようだったらスポイトを使って飲ませる方法もあります。
ミルワームを食べさせる
野生のハムスターがよく食べている幼虫のミルワームは、高たんぱくで消化がよく、栄養たっぷりの高カロリー食品です。
少し食べるだけても栄養がつくので、下痢のときはペレットとプラスして食べさせましょう。
少し大きめのペットショップなら、200匹入り200円ほどの袋で売られています。
ただし、ミルワームだけを与えるのは禁物です。
ミルワームは脂肪分を多く含んでいるため、食べ過ぎると腸内にガスがたまり、ガスが発生しやすくなります。
すると腸閉塞を引き起こしてしまい、下痢以上に大変な腸内破裂を引き起こしてしまう可能性があります。
普段のエサとバランスよく食べさせましょう。
体温を温める
下痢が長時間続くと、徐々に体温が奪われハムスターの体温が低下していきます。
下痢にエネルギーを使っているので、体温を温めるためのエネルギーが不足している状態です。
体温がなくなっていくと、体は体温を維持しようと、余計に体から水を排出しようとさらに下痢を悪化させることになります。
ハムスターは一度下痢をすると悪循環に陥りやすく、下痢に抵抗する力が弱いのです。
そのため、ケージ全体を温めて、ハムスターの体温を維持し、温める治療法が有効です。
あまり暑すぎるのもいけませんが、ハムスターが心地よいと感じる25度ほどの温度を維持するようにしましょう。
冬に使用しているヒーターですが、やはり温度を管理するのはみどり商会のピタリ適温プラス2号がおすすめです。
冬とこのような下痢や体調不良のとき、細かく温度調節ができるので助かっています。
病院へ連れていく
下痢はハムスターの体力の消耗が激しいので、時間との勝負になります。
そのため、できるだけ早く動物病院で処置してもらうことがおすすめです。
一番新しい下痢を袋に入れて持っていき、下痢の状態を診てもらいましょう。
便の状態を見て、寄生虫の有無を確かめたりと、素早く正確な診断を下してもらうことができます。
検査費用自体は1000円~2000円ほどで、症状によって抗生物質を与えたり、皮下点滴などで治療を行います。
衰弱が激しい場合は、強制給餌して一時的に体力を回復させることもあります。
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病院での下痢の治療費
動物は病院にかかると治療費が膨大になると思われがちですが、下痢の治療はそれほど高額にならない場合が多いです。
わたしのかかりつけの動物病院では、下痢の治療費は以下の金額でした。
・診察料 1200円
・検査料(便の検査) 500円
・投薬料(飲み薬) 500円
これに初診料が加わると1000円ほど高くなります。
薬代が案外安いので、治療を続けることになってもあまりかかりませんでした。
うちのハムスターは、寄生虫による下痢が原因だったので、最初に貰った飲み薬だけで完治することができました。
下痢の予防
致命傷となりかねない下痢は、起こさせないための予防がもっとも大事です。
・ストレスを感じさせないようにする
・むやみに触らない。
どんなに人慣れしているハムスターでも、触る時間が短いほうが格段に下痢はしにくくなります。
・ケージ内の温度管理を徹底する。20~26度
・新鮮なエサを用意する。エサは毎日取り換える
・甘味料が入っているものは与えない
どんなに予防しても、なかなか下痢を完全に予防させることは難しいです。
細菌感染でない下痢は、ストレス性の下痢が多いです。
ハムスターの多くはストレスを抱えているとされ、ケージの飼育環境に問題がある場合が多いです。
うちではケージは衣装ケースを使用しています。
衣装ケースをケージとして使うメリットは多く、ケージの広さと衛生環境、ハムスターと人との接しかたの3ポイントさえ間違えなければ、下痢をそうそう起こすことはありません。
参考ページ
「これは便利!衣装ケースでのハムスターの飼い方。手作り方法から大きさまで」
掃除方法
下痢をするとお尻まわりや毛が汚れてしまいます。
それを放置していると、どんどん汚れが広がり皮膚炎を発症してしまいます。
酷くなるとお尻が痛くて座れなくなったり、体力の消耗をさらに増してしまいます。
また、ハムスターの糞尿は通常臭いはほとんどありませんが、下痢だとさすがに臭います。
そのため、お尻や毛が汚れていたら、ぬるま湯に浸したティッシュや布でふき取りましょう。
皮膚に炎症が見られたら、尿素が20%入っているスキンクリームを塗ると、炎症を抑えられます。
すでに皮膚炎が発症している場合は、濡れた布で拭くのは逆効果になるので注意しましょう。
下痢の掃除は見つけ次第すぐに
普段はフンの掃除はハムスターの縄張りを守るため、頻繁に行うことはしません。
しかし下痢の場合は別で、見つけ次第すぐに下痢を掃除しましょう。
不衛生な環境につながり、毛を汚したり、二次感染を引き起こしてしまいます。
下痢の治療が完了したらケージは完全清掃しましょう。
少しでも下痢の菌が残っていたら再発してしまいます。
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