ラブハムスター

ハムスターを15匹飼っている飼育人がお届けする、ハムスターのエサのやり方、ケージの掃除、脱走の問題など、飼育方法を中心にご紹介します。

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■ハムスターの血尿への対処法。病気とスポイトでの尿の採取方法について

   

朝おきてみたらハムスターのケージに血がついている。

これはとてもショッキングで、「えっなんで?ケガした?どうしてどうして」と飼い主としてはうろたえてしまいます。

ケガをしていない場合、血の原因は血尿が考えられます。

今回は、ハムスターが血尿したときどうすればいいか、病院での治療方法、血尿の採取方法、病気についてなどをご紹介します。

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病院に行く前にすること

血便は出ているか

血尿が出ている場合は、血便も出ている場合があります。

血尿だけで、血便が出ない場合は原因や病気が異なるので、血便が出ていないかもチェックしましょう。

 

赤い食べ物を食べた

赤い食べ物を食べたせいで、その色が尿に関係している場合があります。

ハムスターに赤い食べ物を食べさせることはほとんどの場合ありませんが、お家のなかを散歩させていると、落ちている食べ物を盗み食いしているなどのケースがあります。

 

キムチや唐辛子、紅ショウガなどを誤食していると、尿に色がつく場合があります。

赤い食べ物は刺激物が多いので、尿に赤い色がついただけで問題なくても、喉や気管に炎症を起こすことがあります。

 

ケガをしていないか

ハムスターの体にケガがないかをチェックしましょう。

触ると痛がる、嫌がって体をひねる場合は無理に確かめる必要はありません。

血尿に見えても、よく分からない部分にケガをしている場合があります。

 

血尿のついた床材を持っていく

ベストなのは血尿をスポイトなどで摂取して持っていく方法ですが、ハムスターの尿は簡単には取れません。

そこで、最初は血尿がついた床材やティッシュを持っていきます。

 

詳しいことは尿検査をしてみないと分かりませんが、できるだけ状況証拠となるものは持っていきましょう。

関連
「■ハムスターの病院への連れて行き方。診察料・治療費の相場まとめ」

 

血尿検査の料金

動物病院は自由診療なので、診察料金はピンキリですが、うちのハムたちのかかりつけ病院では、血尿時はこのくらいかかりました。

 

・初診料 1000円(再診料500円)

・検査代 1000円

・尿検査 2500円

・止血剤 600円

・抗生物質 1500円(1週間分)

 

血尿時は、どうしてもその後血尿を採取してもう一度持っていくため、何度か再診することが必要になると思います。

できるだけ再診料が安いところがありがたいですね。

 

病院での治療法

動物病院では、まず血尿の原因が何なのかを調べます。

本当に血尿なのか、ケガをしていないか。

血尿であれば膀胱炎、尿路結石など、なんの病気になっているのかなどを診断します。

 

抗生物質を処方され、血尿が酷い場合は止血剤を処方してもらえ、いったんは血尿が止まります。

しかし、血尿が治ったかどうかは尿の見た目ではなく、尿検査しないと分かりません。

そのため、何度か通院して尿検査をする必要があります。

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血尿で考えられる病気

膀胱炎(細菌感染)

血尿でもっとも考えられる病気は、細菌感染を起こしての膀胱炎です。

不衛生な環境などで飼育していると、細菌が膀胱に侵入し、腫れて膀胱炎になってしまいます。

 

衛生的な環境でも、1歳6か月も超えるとハムスターも人間でいうと50歳ほどになり、体力が衰え膀胱炎にかかりやすい状態になります。

病院では抗生剤の投与で膀胱炎の腫れを抑える処置をします。

お家では衛生に気を付けて、カルシウム量に気を付け、水をたくさ飲ませるようにしましょう。

 

また、膀胱炎で怖いのは感染症からの合併症です。

弱っているところに心臓疾患などを発症してしまうと、治療は困難になります。

できるだけ早くに病気に気が付き、膀胱炎を早期に治療することが大切です。

 

尿路結石

人間の病気の中でも痛みのトップ3にも入るとされる、尿路結石。

ハムスターも割合は少ないですが、発症することがあります。

とくにオスの発症率が高い特徴があります。

 

ハムスターの主食はペレットですが、副食の野菜やくだものもバランスよく与えないと尿路結石になる確率が高くなります。

ミネラル・カルシウムを多く含む食べ物は与えないようにしましょう。

 

カルシウムを多く含む、ハムスターが大好きな小松菜、大根の葉などは、予防の意味でも与えないようにしましょう。

尿路結石にはカルシウム結晶とマグネシウム結晶の2タイプがあり、ハムスターの場合はほとんどがカルシウム結晶です。

 

これはハムスター用の治療が確立されており、病院で治療することができます。

マグネシウム結晶の場合は、ハムスター用の治療がなく、犬や猫の治療法を用いることになります。

 

子宮の病気

メスのハムスターの場合、子宮に関わる病気の可能性があります。

子宮蓄膿症や卵胞嚢腫など、出血をともない危険な病気です。

 

膀胱炎より可能性は低いですが、これが見られた時点で病状はかなり進んでいる状態です。

ハムスターの場合、投薬での治療は難しく、子宮摘出手術を行うことで治ることができます。

 

血尿の取り方

尿検査をするために血尿を採取しなくてはなりませんが、ハムスターの場合はこれが難しいです。

病院で獣医さんがお腹をおして血尿を採取できる場合もありますが、ほとんどの場合は無理です。

ハムスターは体内で尿を何度も巡回させ、リサイクルをして使っています。

 

そのため尿を出す機会が少なく、タイミングよく尿を採取するのは至難のわざです。

しかし血尿の際には採取が必要なので、いくつかの尿の取り方を試してみましょう。

 

スポイトを使う

ハムスターの尿は、犬や猫のように尿道から直接は採取できないので、基本的に針のついていない注射器・スポイトを使います。

尿をスポイトで吸引し、終わったらライターなどで先をあぶり中身が漏れないように口を封じます。

ハムスターの尿の量は少ないですが、ほんの少しでも取れれば検査できます。

 

寝起きを狙う

ハムスターは寝起きに尿を出しやすく、夕方の4~6時頃がねらい目です。

ハムスターが巣箱から出てきたタイミングを見計らい、別のケージに入れるなどして排尿を待ちます。

経験上、3割ほどのハムスターはこのタイミング方法ですんなり尿を採取することができます。

 

別ケージに移す

床材が敷いていないケージに移してしまえば、いずれ尿を採取することができます。

この場合、床材がないケージに長時間移動させることはストレスになるので、できるだけタイミングよく狙い、短時間で採取したいところです。

 

寝起きのタイミングなどを試してみて、どうしても取れない場合は排尿するまで待ちましょう。

体調が悪いハムスターは比較的早く排尿します。

 

トイレする場所に容器を設置する

トイレをする場所が決まっているハムスターの場合は、そこの床材を取り除き、ケージの底が見えるようにしておく。

あるいは、プラスチックケースなどを置いておいて、そこでトイレをしてもらうよにすると、すんなりと尿が取れます。

ハムスターが警戒しないように、少しだけ床材を入れておくのもOKです。

 

首の後ろをつかんで持ち上げる

なかなかトイレしてくれないというときは、ハムスターの首のうしろをつかみ、持ち上げると尿をしやすくなります。

寝起きを狙う、別ケージに移すという方法と組み合わせると、高確率で尿を採取することができます。

 

血尿は早期発見で治る病気

ハムスターの血尿は原因によりますが、早期発見で病院に連れて行けば治る病気です。

ポイントとして、ハムスターの治療が下手な病院にかかってはいけません。

 

「ハムスターには薬はないんです」「体が小さすぎて検査ができないんです」

そんなことをいう獣医は、ハムスターへの知識が足りていません。

必ずセカンドオピニオンを受けて、専門的な知識があり治療をしてくれる獣医さんを見つけることが、ハムスターを長生きさせる秘訣です。


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