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ハムスターを15匹飼っている飼育人がお届けする、ハムスターのエサのやり方、ケージの掃除、脱走の問題など、飼育方法を中心にご紹介します。

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ハムスターを同じケージで2匹飼うときのポイントと注意点

      2017/08/23

ハムスターの写真を探していたりすると、2匹のハムスターが仲良く並んでエサを食べていたり、寄り添って寝ていたりと1匹だけの飼育では見ることのできない可愛い写真がたくさん見つかります。

そんな写真を見ていると、「我が家でも2匹目のハムスターを飼おうかな~。1匹じゃ、やっぱり寂しそうだしな~。」という気持ちが湧いてくるかもしれません。

 

その気持ち自体は、とてもよく理解できます!たしかにペットショップではたくさんの子ハムスターが同じゲージに一緒に住んでいて、仲良く眠っていたりしますよね。

あの光景を見ると、我が家でもその姿が見れるのでは…と期待してしまうものです。

 

しかし、ハムスターにとっての複数飼い、特に2匹飼いは大きなリスクがあることをご存知でしょうか?

今回はハムスターの2匹飼いに注目して前提となるそのリスクと、もし2匹飼いをする場合のポイントをご紹介したいと思います。

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大前提として、ハムスターは1匹飼い

ペットショップでは同じゲージにたくさんのハムスターが生活していますが、ハムスターを飼う上での大前提は、1つのゲージに1匹飼いということを覚えておきましょう。

ハムスターはもともと自然界では群れで生活する動物ではありません。

 

1匹のハムスターが広い縄張りを持ち、匂いなどによって互いの縄張りを尊重しながら単独で生活している動物なのです。

そのような生活スタイルのハムスターが、狭いゲージの中で一緒に暮らすとなると必ずトラブルが起きてしまいます。

匂いにとても敏感なハムスターは互いの匂いがするだけでもストレスを感じますが、同居しているハムスターのパワーバランスが崩れてしまうと、さっきまで仲良くエサを食べていたり、一緒に寝ていたはずのハムスターが相手に致命傷を与えるまでの激しいケンカを始めてしまうこともあるのです。

 

また、ケンカというリスク以外にもハムスターの複数飼いには危険が伴います。

例えば、1匹のハムスターが病気にかかってしまった場合、一緒に生活しているハムスター達にも簡単に感染してしまいます。

 

ハムスターは自分が病気を患っていることを知られないように隠す動物ですので、病気の発見も遅れ、気付いたときにはすべてのハムスターが病気に感染してしまっているという最悪の事態も起こり得ます。

もしハムスターの2匹飼いを始めたいと思うならば、このようなケンカや病気の感染などの大きなリスクがあることを把握したうえで、重要なポイントを押さえてから飼育を始めることが不可欠です。

 

ハムスターの2匹飼いで抑えるべきポイントとは?

ハムスターの2匹飼いを始めるにあたって外してはならないポイントをご紹介したいと思いますが、これらのポイントを満たしたからと言って安心してハムスターの2匹飼いができるということでは決してありません。

ハムスターの個性もさまざまですし、飼育環境も異なりますのでハムスターの2匹飼いに絶対は存在しないと考えてください。

 

また、ハムスターの2匹飼い、または複数飼いを始める場合には個体数分の飼育ゲージを必ず前もって用意しておくようにしましょう。

ハムスターの関係が突然変化して、それぞれを隔離しなければならない状況が生じた時にはすぐに別々で飼育ができるようにしておくことが大前提となります。

 

ハムスターの種類をしっかり選ぼう

2匹飼いを始める前に、同居させるハムスターの種類をしっかり選びましょう。

基本的には別の種類のハムスターとの同居は絶対に避けるべきです。

体格差や性質の違いから争いが生じやすくなってしまいますし、ケンカした場合には弱い種類のハムスターが致命傷を負ってしまうリスクが高まりますので、絶対にやめましょう。

 

また、同一種でもハムスターの種類によっては同居不可能という種類もいます。

例えば、ゴールデンハムスターは縄張り意識が特に強く、複数飼いは絶対に避けた方が良いでしょう。

 

ゴールデンハムスターの場合には体も大きいため、ちょっとしたケンカでも大きなケガにつながる可能性があるという点でも避けた方が無難です。

ジャンガリアンハムスター、ロボロフスキーハムスターなどのドワーフ種では複数飼育がしやすいとされている書籍などもありますが、ゴールデンハムスターに比べるとリスクが少ないというだけで、簡単にできるというわけではありません。

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オス・メスをしっかり選ぼう

複数飼いをするなら、性別は同じハムスターを一緒に飼う方がリスクは抑えることができます。

性別が異なるハムスターを一緒に飼育すると、発情期には他のハムスターに対して非常に攻撃的になりますし、子ハムスターが増えすぎてしまうということも考えられます。

 

もし繁殖を考えているならば、生まれた子ハムスターの引き取り手を用意してから計画的に繁殖させるようにすることが大切です。

また、オス・メスともに縄張り意識は強いですが、メス同士の方がまだリスクが少ないように思えます。

 

その場合には、近くにオスの飼育ゲージなどは置かずに、他のハムスターの匂いが気にならない環境にしてあげることも大切です。

匂いに敏感なハムスターは他のハムスターの匂いによって発情してしまったり、攻撃性を示すようになったりすることもあるので注意が必要です。

 

一緒に飼うなら、子どもの頃から

2匹飼い、または複数飼育を始めるならば、ペットショップでハムスターを購入する時からしっかりと計画を立てておくようにする必要があります。

ハムスターを1匹で飼い始めて、寂しそうだからもう1匹を追加で購入してくるというパターンが最も危険です。

成長の早いハムスターの場合、たった1週間の違いでも子ハムスターの体格は大きく異なります。

 

体格差がある2匹を同じ飼育ゲージに入れた場合、必ず体の大きな強いハムスターが体の小さな弱いハムスターをいじめるようになり、大きなケガが無くてもそのストレスで弱いハムスターが死んでしまうことがあります。

2匹飼いを始めたいと思う場合には、必ず同時にペットショップで購入し、体の大きさがほとんど変わらない子ハムスターを選ぶようにします。

 

子ハムスターの場合には生後2か月前後までは性成熟していませんので、比較的問題が起こりにくい期間と言えます。

ペットショップで同じゲージに住んでいるハムスターはほとんどが生後2か月以内の子ハムスターであるため、複数飼育をしても問題がないように見えてしまうのです。

 

2匹飼いするなら、飼育設備も充実を!

もし飼育ゲージをたくさん用意するのが大変だから、複数飼育を始めたいと考えておられるなら絶対にやめた方が良いでしょう。

1匹を飼育するための飼育用品で2匹、またはそれ以上のハムスターを一緒に飼うなら必ず問題が起きてしまいます。

まずハムスターは縄張り意識が強い動物ですので、ある程度の縄張りを1匹ずつが持てるように飼育ゲージの大きさは広めにします。

 

また、ハムスターの巣箱はかならずハムスター数以上用意してください。

もし2匹飼うなら3個の巣箱、3匹なら4~5個など巣箱は多めに入れておきます。

 

さらに巣箱の出入り口を1か所ではなく2か所にして抜け道を作ってあげるなど、弱い個体がすぐに逃げられる環境を造ってあげる必要があります。

巣箱以外にも大小さまざまな太さのパイプや流木など、いざという時に逃げ込めるスペースを設けておくことが重要です。

 

まとめ

今回はハムスターの2匹飼いについてご紹介しましたが、改めて思うことはハムスター飼育の大前提はやはり1匹飼いということ。

たしかに2匹でじゃれ合う姿も可愛いですが、1匹だけでも十分の魅力をもっているのがハムスターなのです。

ハムスターのストレスのない環境を用意してあげるのも飼い主の責任ですから、2匹飼いについては慎重に考える必要があるでしょう。


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