寿命が1年延びる!ハムスターにストレスを与えない飼育方法
2017/09/12
「分かりにくいハムスターのストレスサインを読み解く12の行動」では、ハムスターが発しているストレスサインについてご紹介しました。
今回は、ハムスターが何にストレスを感じているかを理解したうえで、そのストレスを軽減し、解消させる方法をご紹介します。
ハムスターのストレスは、飼い主であるわたしたちがストレスを与えないために、解決してあげないとどうにもならないことなので、いろいろ工夫してみましょう。
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ハムスターにストレスに与えない飼育方法
「触らないこと」を心掛ける
ハムスターはついつい可愛いので触りすぎてしまいすが、ストレスを与えないためには触りすぎてはいけません。
しかしハムスターはもともと単独行動する動物で、群れで暮らすという習性がありません。
そのため触る、触られるということに慣れていなく、体に触れられることは安心することではなくストレスを感じてしまいます。
頭を撫でることは人間にとっては嬉しいスキンシップですが、ハムスターにとっては大事な頭を押さえつけられるという危機感を感じる行為になります。
触って楽しいのは人間側だけなので、なついていたとしても触りすぎるのは控えましょう。
基本的に、ハムスターが自ら手に乗ってくるとき以外は触らないのがベストです。
うちではお散歩に連れ出すとき、自ら手に乗ってくるときだけ体に触るようにしています。
このような場合にのみ触るようにすると、ストレスがかかりません。
大きな音をたてない
ハムスターは土の中で暮らしている生き物で、ほんらいはあまり音がしない場所で暮らしています。
土で飼育するのがもっともハムスター本来の暮らしを再現できますが、土飼育はばい菌が繁殖するなどして、実際するとなると難しいものです。
そのため通常の外と接するケージで飼育することになりますが、これは本来のハムスターにとっては音が聞こえすぎる環境です。
人の足音、テレビの音、冷蔵庫の音、電子レンジの音など、ハムスターには敵の接近する音に聞こえてしまいます。
ハムスターは聴覚もよく、とくに高周波は人間よりもよく聞くことができます。
そのことを踏まえ、ハムスターのケージを置く部屋は、リビングなどではなく、人があまり出入りしない部屋に置くことがベストです。
できれば、ストレスを与えないためにハムスター部屋を作って、ハムスターのケージだけを置く部屋があればいいですね。
寝床にはウッドチップを
とくに音で影響を受けやすいのが、ハムスターが眠るお昼の時間帯です。
耳という機関は敵から身を守るために、眠っている間でも休みを取ることなく活動しています。
そのため、大きな音がしたり話し声がするとハムスターは安眠につけず、睡眠不足になってしまいます。
とくに床材が音を遮断するタイプでない、牧草などを使っている場合は、巣箱に敷き詰めても音がダイレクトに聞こえてしまいます。
どのような床材を使用していても、ストレスを与えないために寝床用に遮音性の高いウッドチップも用意しておきましょう。
臭いがしない場所にケージを置く
ハムスターは嗅覚が優れており、臭いで敵の位置を察知したり、エサを探しあてたりします。
土の中にある巣穴に潜っているときは、ほんらい臭いはしないので、何か臭いがするとハムスターは巣穴に敵が浸入した?と勘違いしてしまいます。
敵がいないと分かっても、その臭いの正体が突き止められないので、常に神経質に周囲を警戒するようになります。
そのため、台所付近はもちろん、ケージの近くにはゴミ箱は置かない。
香水をつけない、香りの強いシャンプー類を使わない、ケージの近くでご飯を食べないなど、臭いをかがせないように気を付けましょう。
掃除は1~2か月に1度
よく、「ケージは1週間に1度掃除しましょう」と書いてありますが、頻繁な掃除はハムスターのストレスになります。
野生では巣穴の掃除は一生することなく、自分の臭いがまんべんなくついた巣穴の中で、安心して縄張りを感じながらハムスターは暮らします。
それを1週間に1度など高頻度で掃除してしまえば、ハムスターは何度自分の臭いをつけても、「またナワバリがなくなった!」と感じてしまいます。
そのため、ケージの水洗いの掃除は1~2か月に1度を目安にしましょう。
おしっことうんこをした床材をこまめに替えていれば、水洗いは1~2か月に1度ほどでも匂いはしません。
ケージが臭くなる原因のほとんどは、おしっこの臭いが原因のためです。
関連「ハムスターの掃除頻度は月に1回がベスト。タイミングと注意点について」
ケージは広いサイズを
ハムスターのもっとも多いストレス原因は、ケージが狭すぎることです。
通常ハムスターゲージとして売られている金網ケージは、ほとんどの物が小さすぎます。
これはハムスターの小ささと、日本の小さな家の住宅事情を考慮して、誰にでも飼いやすくされてものであり、ハムスターにとっては良いものではありません。
野生のハムスターの巣穴は2~3mもあり、ナワバリは30mほどあるので、ペットのハムスターがいかに窮屈な思いをしているかがわかります。
水槽ケースも大きい物はありますが、水槽ケースは大きいのは高いですし、重量もあるため動かすのも大変です。
そこでおすすめなのが、衣装ケースです。
衣装ケースはもともと大きなサイズで、安価で改良もしやすく、ハムスターのお家に適しています。
サイズは、ゴールデンハムスターが「縦35×横65×高さ30センチ」。
ドワーフハムスターが「縦30×横45×高さ25センチ」ほどが目安になります。
これくらいの大きさは欲しいということで、余裕があるならもっと大きいほうがいいです。
ハムスターの大きさを考えたら、大きすぎる気もしますが、それは通常の金網ケージが小さすぎるためです。
わたしたち人間も、お風呂に入ると落ち着きますが、ずっとお風呂場の狭いスペースに閉じこもっていなくては、ストレスがたまってしまいますよね。
ケージを広くするだけで、驚くほどハムスターのストレスは軽減できる場合が多いです。
まず飼育環境を見直そうと思ったら、ケージの大きさをかえてみましょう。
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巣箱や回し車は一か所に
衣装ケースなどでケージを大きくしたので、それにあわせて巣箱や回し車、給水器をバランスよくところどころに配置することがあります。
しかしこれはハムスター的にNGです。
トイレ以外の物はまとめて、一か所に配置するようにしましょう。
衣装ケースの左側に住居スペースをまとめて、右側は何もないハムスターが走り回れるような環境がベストです。
これは、ハムスターは快適なスペースは必要としますが、外敵から身を守れる物陰も必要なことからきます。
ハムスターから外が見えないスペース、飼い主からハムスターが見えない視覚があるほうが、落ち着くことができます。
できれば巣箱の前に飼育用品を置いて、巣箱が外側に見えないようにするのがベストです。
暖かい温度を保つ
ハムスターは寒さ弱く、あまりに寒いと疑似冬眠という危険な状態に入ってしまうことがあります。
熱を体内にとどめておくことが苦手で、熱を保とうとすると、それだけで体に負担がかかりストレス度が高くなります。
そのためケージ内の温度は常に20~25度ほどを保つようにしましょう。
冬はケージ内の温度を暖かく保つのが難しいので、ケージの下にパネルヒーターを敷くと簡単に温度を調節できます。
うちで使用しているのは、みどり商会の「ピタリ適温プラス」です。
昆虫用のなので温度管理が微量で調節でき、温度が上がりすぎると自動で下げてくれるので、留守中も安心して使えます。
関連ページ
「危険すぎる!ハムスターが冬眠する室内環境とその原因とは?」
エサを食べているところを見ない
人間にとって食事はリラックスできる時間ですが、ハムスターにとっては食べることに集中してしまうため、隙が多くなり危険な時間です。
そのためエサを食べていても目はギョロッと開けて周囲を警戒していますし、耳をそば立てて音に注意を払っています。
安全な環境と思っていれば、エサをゆっくり食べて、「この食べ物はおいしい。今の自分にあっている」と、必要な栄養分も考えながらエサを食べることができます。
しかし、外敵が近くにいると思っていれば、エサを急いで頬袋に詰めるだけ詰めて、さっとその場を離れて巣に帰ろうとします。
これだと、急いでエサを食べてしまうので味もわからず食べ過ぎて肥満になったり、何を食べたのか栄養すら分からなくなります。
ハムスターが完ぺきに飼い主に慣れるまでは、エサをあげたらその場を離れ、見ないようにしましょう。
ハムスターが慣れて、自分から手に乗るほどまでに信頼してくれたら、今度は逆に、飼い主が傍にいたほうがエサを安心してゆっくり食べられるようになります。
「この強い人が傍にいてくれれば敵に襲われる心配はない」と思うようになるんですね。
それまではエサを安心して食べられる環境を作りましょう。
昼と夜をはっきりさせる
ハムスターは夜行性の動物なので、夜活発に活動して、昼間は眠っています。
その昼と夜を判断するのは、光の度合いです。
周りが明るければ昼だと認識し、暗ければ夜だと認識するので、光の環境を調節するのが大切です。
夜中まで電気をつけていると、ハムスターの体内時計が狂い、眠れなくなって体調を崩してしまいます。
昼もカーテンを閉め切らずにケージには光をあてて、昼と夜とのオンオフをはっきりさせましょう。
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