ラブハムスター

ハムスターを15匹飼っている飼育人がお届けする、ハムスターのエサのやり方、ケージの掃除、脱走の問題など、飼育方法を中心にご紹介します。

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ハムスターの威嚇行動について。心理状態から鳴き声、接し方

      2018/01/02

小さくてかわいいハムスターですが、飼い主がハムスターに噛まれるという話もよく耳にすることがあります。

ハムスターに噛まれてしまう理由は様々ありますが、ハムスターが噛みたくて噛んだというよりは、「これ以上来ないで!」と威嚇していたのを無視してしまったからという場合も多くあります。

今回はハムスターの威嚇行動について考えて、その時にハムスターがどのような気持ちなのか、また威嚇されてしまった場合に、飼い主としてはどのように対処したら良いのかを考えます。

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ハムスターの鳴き声による威嚇行動

ハムスターは縄張り意識の強い動物です。

自然界でも縄張りに自分の臭いを付けて、通常は他のハムスターと出会わないように生活しています。

 

そのため、自分の縄張りに侵入してきたと感じたり、自分自身の身に危険が及ぶと感じた場合には本能的に威嚇行動をとります。

いつもの可愛らしい風貌からはかけ離れた鳴き声や体の動きを見せるため、最初に威嚇された時には結構なショックも受けますが、これは本能的なものと考えて、その理由を見極めるようにしましょう。

 

ジジジッと短く、小さい鳴き声を上げる時

ハムスターが巣箱から顔だけ出して、こちらを見ながら「ジジジッ」と鳴き声を上げることがあります。

ハムスターは自然下ではほとんど鳴き声をあげません。

声を出すと敵に存在を気付かれ、危険があるからです。

 

しかし、私たちからするとハムスターの縄張りの臭いは分かりませんし、ゲージの掃除も行わなくてはなりません。

「ジジジッ」というような短く、小さな声だけで威嚇される場合には、まだ初期の警戒段階と言えるでしょう。

「ここは僕の縄張りだぞ!これ以上入ってくるな!」と威嚇している感じです。

 

このような声を上げるのは、ペットショップから購入してきて間もないことが多く、ハムスター自身も新しい環境に慣れていないため、精神的に不安定な場合が少なくありません。

このような鳴き声で威嚇された場合には、掃除を少し間隔を空けて行うようにし、ハムスターが環境に慣れるまで待ってあげるようにしてください。

 

また、ハムスターが安心できる巣箱の周りには手を近づけないようにし、トイレやエサ箱も巣箱から少し離れたところに置いて、掃除をしやすくしておくと噛まれる危険性も少なくなります。

新しくハムスターを家に迎えた時には、どうしてもその行動や寝顔を見たくなってしまうものです。

 

しかし、ハムスターがペットショップから移動してきてからまだ時間が経っていない時には、まず環境に慣れることを優先させてあげてください。

最初の一週間ほどはあまりちょっかいを出さずに、巣箱ものぞき込み過ぎないようにします。

エサを用意してあげる時には名前を呼んでからゲージを開けるなどの工夫をすることで、だんだんと新しい環境と飼い主に慣れてくれるはずです。

 

ジーーと長めに鳴き声を上げる時

「ジー―」とハムスターが長めに威嚇音を出すときには、「ジジジッ」の時よりも少し警戒レベルが上がっています。

ハムスターにとって「怖い」という感情とともに「怒り」が少し混じっている感じでしょうか?

 

このような鳴き声を上げているにも関わらず、ゲージ内に手を入れたりすると、巣箱からでも飛び出てきて飼い主の手に噛みつこうとすることさえあります。

一度このようなハムスターの行動を見てしまうと、飼い主の方もハムスターが怖くなってしまうことがありますので、「ジー―」と長く鳴いて威嚇された時には掃除なども別の機会にしてあげてください。

 

また、飼育環境に何かしらの原因があってハムスターにストレスが溜まっている可能性も考えられます。

飼育を始めてからしばらく経っているのであれば、ゲージの広さや掃除の頻度、床材の種類などに問題がないか、もう一度チェックすることも必要かもしれません。

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ギーーギーーと大きな声を上げながら、歯をむき出しにしてくる時

ハムスターの取る威嚇行動としては最高レベルの怒りの表し方と言えるでしょう。

歯をむき出しにして、前足を挙げながら威嚇してくる場合には完全に臨戦態勢です。

 

ゲージ越しなどでも向かってくることがありますので、ちょっかいを出したり、こちらも威嚇するような行動は絶対にやめましょう。

普通に飼育しているなら、ここまでの威嚇行動を取られることは滅多にないと思いますが、過去の体験や恐怖経験から、このような威嚇行動を取ってしまうのかもしれません。

飼い主としての日々の接し方や周りの音、振動がハムスターのストレスになっていないかどうか、もう一度再チェックが必要です。

 

キッキッと高く短い声を上げる時

これは飼い主に対してというより、ハムスターを複数飼育している時に耳にすることのある鳴き声です。

複数飼育しているハムスターの力が均衡している場合には、「ジジジッ」や「ジー―」という鳴き声で威嚇し合う場合もありますが、「キッキッ」という高い鳴き声の場合には、どちらかのハムスターが一方的に攻撃されている可能性があります。

 

「キッキッ」という鳴き声は力の弱いハムスターが威嚇というよりは「攻撃を止めてくれ~」と助けを求める感じの鳴き声なので、早急に対処してあげてください。

飼い主の見ている時には小さな小競り合いに思えても、その後本格的な争いになってしまうこともあります。

このような鳴き声を耳にした時にはハムスター同士をすぐに隔離してあげるようにしてください。

 

以外に知らないハムスターの臭いによる威嚇行動

あまり知られていませんが、ハムスターは鳴き声や行動だけでなく、臭いによっても威嚇行動を取ることがあります。

ハムスターには自分の縄張りを主張するための臭腺が付いていますが、その臭腺から臭いのある分泌液を出して威嚇することもあるのです。

 

これは意識的に行っているのか、それとも縄張りを守らなければという緊急感から無意識に発せられるのかは分かりませんが、鳴き声や威嚇行動とともに独特の臭いがしてくることがあります。

これは飼い主に対してだけでなく、ハムスター同士でも同様なため、複数飼育している場合や別々に飼育していても近くに別のハムスターのゲージが置かれている場合に起こります。

 

メスに比べてオスの臭腺はより発達しているため、臭いによる威嚇行動が分かりやすく、さらにゴールデンハムスターの方がドワーフハムスターよりもより強く臭いを発します。

もし別々にハムスターを飼育しているのに、鳴き声を上げたり臭腺からの臭いで威嚇行動を取っている場合には、ハムスターにとってかなりのストレスになっているはずです。

ゲージを置く部屋自体を別々にするなど、ハムスターのストレスを軽減する措置を取ってあげてください。

 

まとめ

可愛がっているハムスターに威嚇されてしまうと、非常に悲しいものです。

しかし、ハムスターは本能に従って行動しているわけであって、私たち飼い主のことが心から嫌いでそのような行動をとっているわけではありません。

ハムスター飼育の基本を忠実に守って、一生懸命お世話をしてあげれば、その気持ちはしっかり伝わるはずです。

 

ハムスターに威嚇されてしまうのは、ほとんどが飼育を始めて間もない期間です。

その時にハムスターに嫌われたとあきらめてしまわずに、一生懸命お世話を続けてあげてください。

ハムスターも環境に慣れていないだけのことがほとんどなので、きっとこれから良い関係を築いていけるはずです。


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