ラブハムスター

ハムスターを15匹飼っている飼育人がお届けする、ハムスターのエサのやり方、ケージの掃除、脱走の問題など、飼育方法を中心にご紹介します。

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ハムスターの頬袋ってどうなってるの?構造と関係する病気について

   

ハムスターを飼っている方の多くがあげるハムスターの魅力は、ハムスターのかわいらしい仕草、クリクリして少し涙ぐんだような目、そして頬に食べ物をいっぱい詰めた姿ではないでしょうか?

エサを必死になって頬に詰めて一回一回巣穴へ持ち帰る姿はずっと見ていても飽きないものです。

では、ハムスターの頬にはなぜあんなにもたくさんの食べ物が入るのでしょうか?

その謎を解くにはハムスターの頬に付いている頬袋について知る必要があります。

今回は頬袋の構造、役割、病気についてをご紹介します。

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頬袋の構造

ハムスターが自分の頬に食べ物を入れるために使っているのが、頬袋です。

では、この頬袋はどんな構造をしているのでしょうか?

 

頬袋の正体は伸縮性のあるほっぺた

簡単に考えるならば、ハムスターの頬袋は私たちのほっぺたと同じです。

私たち人間もほっぺたを膨らませたり、その中に水や空気を溜めることができます。私たちのほっぺたにもある程度の伸縮性があるわけです。

 

しかし、ハムスターの頬袋は私たち人間の比ではありません。

種類にもよりますが、伸縮性のあるハムスターの頬袋には皮をむいていない状態のヒマワリの種が10個前後も入り、正面から見た顔の大きさも2~3倍に膨らんで見えるようになります。

 

頬袋は実はかなり大きい

人間のほっぺたであれば、スペースが口の中の空間だけに限られますが、ハムスターの場合はそうではありません。

頬袋は伸縮性もさることながら、そのスペース自体も実はかなり大きいのです。

 

エサを頬袋にたくさん詰め込んでいる時のハムスターは口の両側だけではなく、肩から背中にかけての部分あたりまで膨らんで見えることがあります。

実はハムスターの頬袋は、実際に背中の一部までエサを入れられるスペースとして広がっているのです。

 

私たちの体の構造とは全く違うのでイメージしにくいですが、ハムスターはたくさんのエサを頬袋に詰め込めるように常に顎が外れた状態になっています。

その上あごと下あごが外れた状態のスペースに頬袋があり、それが背中のあたりまで広がっているのです。

 

入口は小さい

詰める容量は大きな頬袋ですが、その入り口はエサがやっと通れるくらいの小さなサイズになっています。

そのためエサを手でぐいぐいと押し込んで、これでもかっ!という勢いで押し込んでいるんですね。

出すときは体を後ろから手でぐいぐいと押して、吐き出すように出します。

 

欲張って大きな物を詰め込んでしまうと、吐き出せなくなって入口に詰まってしまうことがあります。

そうなると頬袋の中でエサが腐ってしまいます。

食べ物を与えるときは、あまり大きなサイズでは与えないように、小さく切り分けるようにしましょう。

 

口いっぱい詰め込んだハムスターをレントゲン撮影してみると

 

ハムスター界に衝撃がはしったこの動画。

エサをパクパク食べているハムスターをレントゲンで撮ってみたら、するすると食べ物が体の両側に流れていることが分かります。

頬袋と上半身の皮がすごく伸びることがよく分かります。

 

体全体を使ってエサをため込むことで、より多くのエサを蓄えられ、重さを分散することで走りやすくしています。

しかし、頬袋に詰め切れなくなったエサを口にくわえて意地でも運ぶあたり、ハムスターの食への執念は感心させられます。

 

頬袋に入れたエサは自分の食べ物

ハムスターの頬袋の中は粘膜で覆われており、頬袋から出した食べ物には唾液が付いています。

私たち人間からすると頬袋から出した食べ物をまた食べるのは汚く感じるかもしれません。

 

ハムスターにとっては自分の唾液の付いた食べ物は自分が集めてきたことを証明するしるしともなり、食べ物を保存する習性のあるハムスターにとっては大切な行動なんですね。

また、エサを頬袋に詰めて運んでいる間に、食べ物が途中で消化されてしまわないように、唾液をストップできるというコントロール機能まであります。

 

頬袋はなんのため?

これまで考えたように、ハムスターの頬袋はとても特殊な構造をしています。

では、ハムスターは頬袋をなんのために使っているのでしょうか?

 

食べ物を保管するため

頬袋のもっとも重要な役割は、食べ物の保管場所になることです。

ハムスターは食べ物をいったん頬袋に入れて巣箱や他の安心できる場所に運び、その場所で食べたり、さらに穴を掘って保管したりします。

 

この習性は、野生のハムスターが食べ物の多い時期と少ない時期を経験するため、厳しい環境に生息していることからきています。

食べ物が無くなってしまった時に備えて、エサを確保できる時にはできるだけ貯めておこうという習性です。

これはハムスターすべてに共通する習性ですが、頬袋への食べ物の溜め具合から飼っているハムスターの気持ちを知ることもできます。

 

頬袋の使い方で分かるハムスターのストレス度

ハムスターは通常、一時的に頬袋に食べ物を入れておくことはしますが、いつも入れっぱなしにしておくということはありません。

では、もしハムスターがいつも頬袋に食べ物を入れているとするなら、それはハムスターのどんな気持ちを表しているのでしょうか?

 

頬袋に食べ物を入れておくのは、エサを安全にとっておきたいという気持ちの表れです。

本当なら巣箱に持って行って保管したいのでしょうが、巣箱は安心できないのかもしれません。

ハムスターの飼育ゲージを振動や音の伝わりにくい落ち着いた環境に設置してあげることが大切です。

 

また、巣箱を頻繁に開けて様子を見たり、寝ているところを無理やり起こしたりしないようにしてあげましょう。

では、エサを与えている時や遊ばせている時にハムスターが頬袋に入れていた食べ物を突然吐き出す場合はどうでしょうか?

通常ハムスターは食べ物を頬袋に入れて運び、安全な場所まで運んで食べます。

 

ですから、せっかく頬袋にためた食べ物を巣箱に運ぶ前に吐き出してしまう行動は、「緊急に身の危険を感じる」というサインです。

ハムスターにとって食べ物はとても大切ですが、危険を感じた時にはハムスターも自分の身の安全を優先します。

食べ物を捨てて身を軽くしてでも、何とか逃げ延びようとしているんですね。

 

ですから、頬袋に入れていた食べ物を突然出してしまう時には、何かのストレスや身の危険を感じてそのような行動を取っていると考えられます。

一緒に遊んでいたり、エサを与えている時にこの行動をとられてしまうと、飼い主としては少しショックですが、その時のことをよく思い出してハムスターにとってストレスとなってしまう行動は避けるように注意しましょう。

 

大切なものを移動するため

ハムスターは頬袋を大切なものの移動のためにも使います。

例えば、赤ちゃんハムスターを運んだり、巣穴を快適にするための巣材を運ぶためにも使うことがあるのです。

しかし、この点では飼い主が注意してあげなければならない点もあります。

 

ハムスターが巣材として用いるティッシュなどを頬袋に入れると頬袋内部の粘膜に張り付いてしまい、そのまま頬袋から取れなくなってしまうこともあるのです。

また、先がとがっていたり、固すぎるエサを与えた場合にそれをハムスターが頬袋に無理やり詰めてしまい、頬袋の内部が傷ついてしまうこともあるのです。

そのような結果として頬袋の病気が発症してしまうこともあります。

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頬袋からエサを出さないとき

2~3日なら大丈夫ですが、4日以上頬袋からエサを出さない場合は、内部でエサが引っかかって出せない可能性があります。

ため込む癖があるハムスターもいますが、エサが腐ってしまうので強制的に出してあげなくてはいけません。

 

以下の3つの方法を使って強制的に出させることができますが、何回もすると、どれもハムスターにとっては嫌なことで、飼い主を嫌いになってしまいます。

それでも出せない場合は病院で取り除いてもらいましょう。

 

手で押し出す

ハムスターが普段エサを頬袋から出すのと同じやり方で、入っているエサの形や場所を意識して、親指と人差し指でぎゅっと押し出しましょう。

ハムスターが抵抗するので、片方の手はしっかりと体を固定させておきます。

たいていの場合、これで取り出すことができます。

 

首の皮をつかむ

首の後ろの皮をつまんで、上に持ち上げます。

首の皮をつかむと、体全体の皮がつっぱるので、頬袋もぎゅうぎゅうになって苦しいので、それで吐き出します。

少しの詰まりならその刺激で出すことができます。

 

綿棒でかき混ぜる

これは最終手段です。

コツが必要で、ハムスターが飼い主に慣れていて、飼い主も頬袋の構造をよく理解していないと上手くいかない方法です。

ハムスターが激しく抵抗してそれを止められない、うまくやる自信がない場合は、綿棒作戦は諦めて病院へ行きましょう。

①まずはハムスターを片手で持ち上げ、お腹が見える状態にします。

 

②親指と人差し指でハムスターの顔を固定し、残りの指で体をしっかり固定します。

③口に綿棒をつっこみ、頬袋の中をよくみながら綿棒をかき混ぜるように回します。

中がよく見えないと危険なので、日光が当たる窓際やライトを照らしてやるとよく見えます。

 

④1つ1つのエサを見ながら吐き出させていきます。

つかえているエサが取れたなら、その後はハムスターが自らエサを出す場合もあります。

この方法はハムスターにストレスがかかり、頬袋を傷つける可能性もあるので、じゅうぶん注意しましょう。

 

腫瘍の可能性も

頬袋の一部だけにエサを貯めているな~と思ったら、腫瘍だったことがあります。

この場合、上記の方法を試すともちろん危険です。

 

頬袋に関係する病気とは?

ハムスターにとってとても大切な頬袋。

では、頬袋に関係するどんな病気があるのでしょうか?

 

頬袋の炎症・膿

ティッシュなどが付着したままになっていると頬袋の内部に細菌が発生し、とがったものや固いものによって頬袋の内部にできてしまった傷口から細菌が入ってしまうことがあります。

そのようにして頬袋の炎症やひどくなると頬袋の内部に膿がたまるようになります。

 

炎症や膿がたまった状態になると口から臭いがしたリ、頬が腫れているように見えるためすぐに病院で治療を受けるようにしましょう。

また、人間が食べている食べ物、特にお餅や海苔などを与えると頬袋の内側に張り付いてしまう確率が高くなります。

人間の食べ物は与えずに、ハムスターが自然界でも食べるような健康的なエサを与えるように心がけましょう。

 

頬袋脱

これは普段は口の内側にしまってある頬袋が外側に出てきてしまうという病気です。

通常は見えないはずの頬袋ですが、前述の通り頬袋自体はかなり大きいものです。それで、この病気になってしまうとその大きな頬袋が口から飛び出した格好になり、外から見てもすぐにわかる症状を呈します。

 

原因としては、頬袋の炎症と同じくハムスターが自然界では通常食べないエサを与えることによって引き起こされます。

例えば、豆腐やチョコレート、飴などの柔らかいものや口の唾液や熱で溶けていく食べ物、口の内部に張り付きやすいスナック菓子などが原因となりやすいエサです。

 

症状が軽い場合にはハムスターが自分で頬袋をもとの位置に戻せることもありますが、この頬袋脱は再発しやすい病気でもあります。

また、繰り返すことで症状も悪化してしまうため、症状を発見したなら早めに病院へ連れていくことをお勧めします。

 

動物病院では頬袋の炎症がひどく、繰り返し頬袋脱の状態になるようであれば頬袋の切除が行われます。

頬袋の切除となるとかわいそうですが、ハムスターの頬袋はやがて再生するため、またエサをほおばるかわいらしい姿を見ることができるはずです。

 

まとめ

今回はハムスターのチャームポイントのひとつである頬袋に注目しました。

頬袋に関係する病気を避けるためにも、やはりハムスターにとって健康的な食べ物が一番ということが学べました。

ハムスターにとって良かれと思えることでも、実は健康を害してしまうこともたくさんありますので、正しい知識を取り入れていきましょう。


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